みなさん、こんにちは。ミヤキジ情報部隊です。
今回は、私が昔アルバイトをしていた骨董品店での、不思議でちょっと怖いお話です。
もう今はなくなってしまったお店なのですが、そこの店主がかなり個性的な人で(笑)。
骨董市で商品を買い集めるのが、もはや趣味みたいになっていたんです。
良いものを見つけるとご機嫌で帰ってくるんですが、
この「良いもの」というのが、正直あてにならないんですよね。
以前も「綺麗な机が手に入った!」と大喜びするので見に行ってみると、
まさかの仏壇で使う線香台だったりして・・・
ちょっとおっちょこちょいな、憎めない店主でした。
そんな店主が、ある日「今日はいいものが手に入った!」と満面の笑みで帰ってきました。
私がいつものように「今回は何だろうな〜」と思いながら見ると、
そこに置かれていたのは、紫色のぼかしの絞り染めの着物を着た、
とても美しい日本人形でした。
その人形を見た瞬間、背筋がゾクっとしたのを覚えています。
なんというか、まるで本当に魂が宿っているような、そんな感覚に襲われたんです。
その予感は、すぐに現実のものとなりました。
人形の掃除を頼まれ、人形を拭いていると、着物の袂から何かがポトッと落ちました。
それは、小さく折りたたまれた1枚のメモ用紙。
広げてみると、そこにはこんな風に書かれていました。
「早く、良くなることをお祈りしています。」
誰が、なぜ書いたのか?
その文章を読んだ時、
人形に目をやるとその表情がなんだかとても寂しそうに見えました。
私は、何となくこのメモは元の場所に戻してあげた方が良いような気がして、
誰にも見つからないように、こっそりと人形の袂に挟み直しました。
人形は元の持ち主の回復を祈っていたのかもしれません。
あの人形が、今どこで、誰といるのかは分かりません。
けれど、あの日あの骨董屋で出会った日本人形の、
美しい着物と、その切ない表情は、今でも私の心に深く残っています。
みなさんの身の回りにも、何かを語りかけてくるような、不思議な物はありませんか?