みなさんごきげんよう。ささキジです。
ついに始まりました。
【宮城の頑張るおじさんシリーズ】
略してみやおじです。
宮城で光り輝く、頑張るおじさんを紹介していきます。
今回は大崎市田尻のパン屋【HIPCROPS】の店主、そして農家という2つの顔をもつおじさん。
今野 真二 さん
にいろいろ話を聞いていくぞ。
指定された場所の畑に向かっていきます
あーいたいた。
なんと今野さんが焚き火をして待ってくれていた。ゆらゆらとゆれる炎を見ながらのインタビュー。いいじゃないの。かっこいいじゃないの。
今野おじさん!がつがつ色々聞いていくので、今日はよろしくおねがいします。ちなみに今、猛烈におしっこしたいです。
どうもどうもよろしくおねがいします!えーと、トイレは…
畑の奥の方で、すきなところにしてくださいと力強く答えてくれた今野さん。優しい。
スーッ…ふぅ…プルプルプル。
じゃあ改めて…
乾杯!今野さんが用意してくれていたコーヒーで乾杯。
今回具体的には
・今野おじさんの現在
・今野おじさんの過去
・今野おじさんの未来、夢
をグダグダと話していきます。
行くぞ!
今野おじさんの現在
今は何してるんですか?
今は大崎市の田尻ってところで農家やってます。
私が育てた野菜を具材として使用した【HIPCROPS】というパン屋、というかファストフード店もやっていますね。
HIPCROPSではベジベジパンという名前のパンを販売している。
なんでパン屋をやろうと思ったんですか?
元々ずっと営業の仕事をしてたんですけど、2015年から農家をやりたいと思って兼業農家を始めたんです。
実は2014年から農家でやっていくためのシナリオは書き溜めていて…。そのときに農業で、歴戦の猛者のおじいちゃんおばあちゃんに果たして勝てんのか?って思って悶々としてたんですよ。
なるほどなるほど。
百姓やりながら、店も出して…とかできたらかっこいいんじゃないか?と思い始めて…
自分で作った無農薬野菜をパンに入れた、ここらへんでは珍しいファストフード店を思いついたんです。
そして2017年に会社を退職して、2021年に店がオープンという感じで現在に至ってます。
農業もパン作りも経営も初めて。右も左もよくわからんという状況から、とにかくやってみる!を繰り返してきたんだと。
やっぱり飲食の経験がないってのは大変だったよね。苦しいなって思ったときに打つ手がわかんないの。引き出しがそもそもないからね。飲食の経験してればよかったなと思ったことは結構あるよ。
農業に関して言えばクワの使い方もわかんなかったしね。
そして、これ言うと怒られそうなんだけど、実は自分は【パン屋】をやりたいわけじゃないんですよ。
いきなりすげぇ爆弾発言。どう扱っていいかわかんないよ。ここまで読んだ人みんなザワザワしてるはず。
と、ここまでが今野おじさんの現在だ。
【実は自分は【パン屋】をやりたいわけじゃない】
といういきなりどストレート発言は後半の内容に繋がっていくから、最後まで読んでくれよな。
今野おじさんの会社員時代
過去も洗いざらい聞いていきます。
過去について聞かせて!今野おじさん!
いいっすよ。就職活動のとき、実は新聞記者になりたかったんです。それが面接で落ちちゃって、ゴリゴリ外資系の営業の仕事に就きました。
そこがね…。半年間の試用期間をもって不採用になっちゃったんだよね。
……………
次の会社も営業で、2年で退職。その次の会社も営業で15年くらいお世話になったかな。
3社目の会社では入社10ヶ月後、月間個人売上2000円という結果で、向いてないんじゃない?と上司に言われるほどだったんだよ。
あ、いや、まぁ、ね。そういうときも、あらぁよ。うん。
それだけじゃなく当時はいろんな本を読んで、俺が世の中を変えてやる!今の常識に疑問を持たずにただただYESなんてできねぇ!なんて思ってました。自由を履き違えてた感じですね。
わかります?言われてやってる感が嫌だ。みたいな…
わかりますわかります。いわゆるTHE・めんどくせぇ人ですよね。
といっても自分もビジネス書を読み漁って調子こいてたことがあるので笑うに笑えねぇです。自分ができる風に思えちゃうんですよね。
そうそうそうそう!常にアクション映画を見終わったような状態!
志と勢いが一級品なのに結果がついてこねぇ。という苦しい戦いを強いられていた今野おじさん。あるとき転機が訪れる。
いろいろ苦しくて悩んでるときに、とある講演を聞きに行ったんですよ。
70歳くらいのおじいちゃんが話してたんだけど、なんで人間は働くのか?って話になってさ。そのときに
「ひとよのために働くんだ」
ってそのおじいちゃんが言ったのよ。なんか、心にストンとその言葉が入ってきてさ。感動したよね。
「一夜のために働く?」
なんてとんでもねぇじじぃだ。70歳くらいでもやっぱすごいんだなぁ。それがストンと心に入ってくる今野おじさんもすげぇや。
いや、あの別に全然否定してないですよ。そういうモチベーションはアリだとは思うし。うん。いいと思う。
ちげぇよ!!人の世と書いて「人世のために働く」だよ!変にフォローしなくていいから!
笑顔をつくるのが商売なんだよと。どの商売も笑顔を対価としてお金をもらうんだよと。そうおっしゃるわけですよ。
俺、それまではさ「上司に怒られないために」にとか「売上を上げるために」に仕事してたんだよ。
ほうほう。
考え方を変えて、相手を笑顔にすんだ!ということを意識して相手に寄り添うように働いてみたら、売上が一気に上がったんだよね。
営業で呼び出されたときも「昨日しこたま飲んだんで、今日あんまりしゃべれないっすよ俺」みたいなことも言えちゃうような、それでも相手に笑ってもらえるようなフランクな関係を築いていったの。
商品を売るために行くんじゃなくて、喜んでもらうため、笑ってもらうために行く。価値観だいぶ変わったね。
ええ話や…。世の中を変えてやる!みたいな考えはそれと同時に無くなった感じですか?
いや、変わってないですね!むしろ働く意味を知ったことで思いが更に加速しました。
会社の掲示板にそういうことたくさん書きましたもん。利益も大事だけど、相手を笑顔にさせるってことが大事なんだぜとかね。
余計めんどくさい人になってて笑う。
その思いを掲げて脱サラ。現在に至るまで今野おじさんは農業街道を全力で突き進んでいきます。
よし。じゃあ、未来について語っていこう
今野おじさんの目指す未来
俺はね!農業の人たちがヒーロー化してほしいの!若いやつらが斬新にいろんなことを展開していくような泥臭くて全然スマートじゃない農業の未来をみたいんすよ!!
合コンとかでおれ農業やってる!と言ったら人がわんさか集まってくる感じのイメージ?
まぁ…それでもいいや。そんな感じ。
農業の役割として
・生産(野菜の生産)
・コミュニティ(協力し合う)
・教育・感性(体験する)
があると思うんだ。
これらの役割を考えていくと、農業は人間が生きていく上での土台なんだよ。
人間は生きていくために食べることに依存するじゃない?それって土がないと生きていけないってことでもあるんだよ。
その土台(農業)が発展していくってことは心と身体からできている人間は、より豊かになれるってことに繋がるんだよ。
熱い。熱いぞ。今野おじさん。
空調がきいたところでずっとパソコンしてたら息が詰まるじゃん?
そらそうよ。だって過去数万年間人間はそんな生活してきてないんだもん。
だから
・風のそよぎを感じる
・草木を踏みしめる
・土に触れる
・太陽の下で動く
というようなゆらぎをいつか求めると思うんだ。そんなとき、そんな人達に趣味でもいいし、体験でもいいから少しでも農業に触れてみてもらいたいのよ。
なるほど。
ここで冒頭の【実は自分は【パン屋】をやりたいわけじゃない】発言が繋がってくる。
野菜というものを気軽に若い世代の人たちに触れてもらいたいという思いで、自分がつくった野菜をふんだんに使用したファストフード店を立ち上げたんです。
お店を出すのがゴールや目的じゃなくて、過程なんですよ。なので同時並行で野菜の収穫体験なども行っていて、少しでも農業を認知してもらいたい、盛り上げたいという目的がメインです。
いろいろ考えてるんだなぁ。ロマンがあるなぁ。ただ、ここで疑問が…
すげぇ考えて、しっかり前に進んでいってるのかっこいいっす。ただ気になることがあって、最終地点はどういう構想を描いているんですか?
満を持して話し始める今野おじさん。果たしてどんな夢を描いているのか…?
自分が住んでいるこの大崎市で、農の最高傑作を創りたいんです。
農業の研究所を誘致して、宇宙防衛軍みたいなかっこいい建物に農業のベンチャー企業をいれて、コンペで競い合うんです。
そこでは超未来的な農業技術を研究していたり、はたまた原始的な農業技術を研究していたりと、農の最高傑作が集まるんです。
そして世界の人たちがそれを学ぼうと視察に来るんです。
この流れを「アグリバレー構想」って自分の中で勝手に呼んでます。
おいおいおいおいおい。かっけぇ!!!胸が熱くなってきましたよ。そこの機関のお偉いさんになりたいんですか?
自分が農業を盛り上げた結果そういう流れになったらいいなと思っているので、自分はそこで偉くなりたいなどは全然思ってないです!
そんな遠慮しないでくださいよ!
今野おじさんのつくる野菜は肥料も農薬も使わないことにこだわりをもってるじゃないですか!
ああ、まぁね。うん。
歯切れの悪い今野おじさん。一体どうしたんだろうか?
今野おじさんが育てた無農薬のさつまいも。ぴっちぴち。
あのー。なんて言えばいいのかな…?
無農薬!って言ってるけど、実は農薬の使い方、俺よくわかんねぇんすよwwwwww
おいwwwwwwwww
言わなきゃいいのに!さっきまで最高にかっこいいこと言ってたのに!
ということで、農業を盛り上げていきたいという熱い思いがほとばしるおじさんの紹介でした。
ね?なんかワクワクするでしょ?宮城県にはこんな楽しいおじさん、たっくさんいるんですよ。
我こそはという方や、このおじさんすごいよ!という方を知っていたらぜひ問い合わせより連絡をください。