クリスマスの足音が近づいてきましたね。
ココロが、街が、お店が、キラキラに彩られる季節になりました。
ワクワクしながら、クリスマスのケーキを選んでいる方も多いでしょう。
そんな心躍る季節に、とってもステキなケーキ屋さんを発見したので、紹介したいと思います。
子育てに寄り添うケーキ屋さん
大崎市田尻【おおいしや】さん
そして、お話をうかがったのは、店主奥様の
『大石清江』さんです。
ここ、おおいしやさんでは、店主であるご主人が商品を作っており、奥様の清江さんが店頭で接客、販売という分担で営んでいます。
大崎市田尻で長年、親しまれてきたお店であり、『美味しい』『田尻でケーキ屋といえばおおいしや』という地元の評判は、さやキジの耳にも入っていました。
そこで気になってたずねてみたときに、たまたま買い物に来ていたお客さんが印象的なことを話していたのです。
『ウチの子は、おおいしやさんのケーキで育ったから』
前後の話を含めると、どうやら大人になって遠方で暮らしている我が子が帰省する。だから子どものころに好きだったケーキを食べさせようと思って買いにきたご様子。
きっとクリスマスや誕生日のたびに、おおいしやさんのケーキでお祝いしたのだろう。
『おおいしやさんのケーキで育った』
なんてステキな言葉
お客さんの言葉から、その方のお子さんが美味しそうにケーキを食べる幼少期の情景が目に浮かんでくる。
その時に分かった。
ケーキ屋さんって、子どもの成長に寄り添う存在なんだってことが。
単に、美味しいものを提供してくれるだけの場所じゃないってことが。
クリスマスや誕生日が近づくと
今年もまた、みんなでケーキを食べるんだ‼
いちごショート、チョコレート、レアチーズ、今年は何にしようかな?
子どもたちは、その日が来るのを指折り数えてウキウキする。
そんな思い出の中にはいつも、おおいしやさんのケーキがあるんだ。
その子にとって、思い出の味、懐かしい味、いつまでも忘れない味になるだろう。そして、思い出の味を変わらず提供してくれるお店が、大人になってもあるって、なんて幸せなことなんだろう。
その幸せが実現しているのは、おおいしやさんが、昔からずっとあるからこそだ。
50年以上の歴史
おおいしやさん。一体いつからやっているのか?
50年以上になります
そんなに前から‼
現在、営んでいるのは2代目夫婦。ご主人のお父さんが始めた店だそうだ。
50年以上にわたり、地域に寄り添い、子どもに寄り添いながら営んできたお店。
愛されるのも納得です。
しかし、おおいしやさんの愛され要素は、長きにわたることと、美味しいことだけではありません。
清江さんにお話をうかがっている最中にご主人も顔を出してくれました。
挨拶をして名刺を渡してくれたのですが、見てください、個性的で素敵なスケルトン名刺。
この名刺、食べられるんですよ
びっくり‼食べられる名刺。これはすごい。
さすがケーキ屋さんの名刺だけあるわぁ
どんな味だろうと、さやキジが食べようとした瞬間
嘘ですよ
あやうく騙されるところだった…。てか、食べてしまったら名刺の役目果たさないもんな。これくらい、考えたら分かるよな。さやキジが食い意地貼ってる証拠だわ。
恥ずかしや…。
きっと、さやキジの他にも騙された被害者は沢山いるのではなかろうか?
でもなんてユーモラスなご主人、この方は愛される。
もちろん、清江さんもステキな方
店頭で接客、販売を担っている清江さん。親しみやすく、話しかけたくなる空気をまとっている。
来店したお客さんとの会話が弾む。梱包やお会計のごくわずかな時間、他愛ない会話なのにお客さんの顔がニコニコになるんだ。
清江さんは語ります。
ケーキ屋さんって、お店に入るだけで笑顔になれる場所なんです
確かに。甘い香り、美味しそうなディスプレイ。入店するだけで気持ちがゆるやかになる場所だ。
でも、それだけじゃない。やっぱり店頭に立つ人の人柄によるところも大きい。
夫婦でお店を営みながら、子ども2人を育てた清江さん。お店には、子育てで悩みを抱えているお客さんも来る。そのお悩みに、共感することもよくあるという。
地元に愛されるお店を長く営むこと。
それは、先代も含めた大石さん家族が、お客さんに寄り添ったコミュニケーションを大切に築き上げてきたのだろう。
こうして創り上げてきた50年以上の歴史、愛されてきた歴史はダテじゃない。
変わっていくもの、変わらないもの
長く営んでいるお店であるあるなのが、ずっと変わらないということ。
変わらぬ味、思い出。ずっとあり続けるのは素晴らしい。
一方で、時代の変遷やお客さんのニーズ変化に対して、変わっていくべきものもある。
長い歴史のおおいしやさんはどうだろう?
もちろん大丈夫
新しいことにも取り組んでいる。
豊富な種類の焼き菓子コーナー。そこに気になる表示を発見した。
『マクロビ』
商品名の上に小さく表示されている。マクロビオティックの略。
言葉を検索してみると
・玄米菜食が基本
・その土地の旬のものを食べる
・自然と調和をはかる食事法、思想
などの説明があった。他にもたくさん書いてある。
マクロビは清江さんが興味を持ち、勉強したという。
コロナ禍の間に学びました
コロナの影響でお客さんが減少した際、空いた時間を勉強に充てたそう。
そして、マクロビの考え方を取り入れた商品が開発された。国産のもの、オーガニックにこだわって作られたクッキー。この商品のすごいところは
白砂糖、乳、卵を使っていないこと。
血糖値を急激に上昇させる白砂糖を使わない。
代わりにメープルシロップやてんさい糖を使います
そして、アレルギーの代表選手、牛乳と卵も不使用。
アレルギーの方も安心です
『マクロビ』なんとなく身体に良さそうな響き…という理解しかしていないさやキジも納得。
白砂糖、乳、卵の3トリオ。スィーツには必ず入っている。
それを使わずに美味しいものを作ることは、簡単なことではなかっただろう。
深い学びと、工夫と、お客さんへの想いが詰まった商品だ。
さて、気になるお味は?
優しい甘さと素朴な風味
パサパサして味気ないイメージを勝手にもっていた。でも、ドライフルーツやナッツなど、入っているものの味をしっかり楽しめる。素材を味わう満足感。
気になる方はぜひ、おおいしやさんの焼き菓子コーナーで『マクロビ』と表示されているものを、手にとって、味わってみてほしい。
おおいしやさん、大変身中
ここまで読んで、読者さんは気になっていることがあるだろう。
ケーキの写真が全然ないじゃない
そう。店内には和菓子のディスプレイと焼き菓子コーナーしかない。
今さらだが、おおいしやさんはケーキの他に、和菓子や焼き菓子を扱う【お菓子屋さん】なんだ。
そして只今、店内は改装工事中。仮店舗にて営業している。
スペースの関係上、ケーキはバックヤードにあり、注文されたものを清江さんが奥へ取りに行く。
ケーキはある、大丈夫。そして、クリスマスケーキもある。予約は絶賛受付中。
受付は12/16まで。早めに言ってもらえれば、アレルギーの方用に卵抜き、牛乳抜きの対応もしてくださるとのことです。
注文は直接来店かお電話にて。記事の最後に住所と電話番号を載せています。
外観や、ケーキ画像を載せることができないので、改装終了後に取材しようか迷ったけれど、どうしてもクリスマス前にこのステキなお店を知ってほしかったんだ。
そう、さやキジのエゴ
完成は2025年の4月予定だそう。それまで待っていられない。今、書きたい。今、読んでほしい。
変わらないものは地域とお客さまへのおもいやり。変わっていくものは外観やニーズに合わせた新商品、時代の流れに沿ったものの考え方。
そんなおおいしやさんが、まさに今、変身中。新しいお店はどんなふうになるのか楽しみだ。
美味しいクリスマスケーキを食べながら、期待に胸を膨らませ、来春の完成を待ちたい。
【店舗情報】
住所:大崎市田尻沼部字新富岡25-4
TEL:0229-39-0348
営業時間:9:00~18:00(日祝は17:00)
定休日:火曜日(繁忙期は営業)
instagram:おおいしやさん