こんにちは!さやキジです。今回はこの看板に惹かれて鳴子にやってきました。

『おもしろ体験』
どんなおもしろ体験ができるのでしょう?早速、店内に入ってみます。

やってきたのはこけしの製作、販売を行う【松田工房】さんです。職人技でひとつひとつ魂を込めて作られたこけしがズラリと並ぶ店内は圧巻。
こちらでできるおもしろ体験というのが、こけしの『絵付け体験』です。

こけしに絵を付けるなんて。職人さんのようにはいかないまでも、ド素人ができるものなのか?
そんな不安を和らげてくれるのは、工房の『松田 大弘』さんです。丁寧な説明で描き方を教えてくれました。彼の説明を聴いていたら、ド素人の私でも、なんとかできそうな気がしてきます。

顔出しナシとのことで、店内にあった松田さんの肖像画を代わりに。

描く順番が決まっています。順番通りに書けば大丈夫。練習用の紙も用意しています。
絵は苦手なさやキジですが、松田さんに教わりつつ、こけしの絵付けにチャレンジしていきます。
説明を聴いて、まずは練習
まずは描き方と順番の説明をしてもらいます。

鳴子温泉の伝統こけしは、基本的に黒、赤、緑の3色を使って描きます。


最初に描くのは顔。黒色で眉毛、目、鼻の順に描きます。
説明しながら、お手本を見せてくれる松田さん。迷いのない線をスッと引くその手つきに見惚れました。
次に、びん(左右の横髪)→前髪→まげ、かんざしを描いたら、黒は終了。次は赤のパーツを描いていきます。

黒で描くところを全て描いてから、次の色にうつるんですね。

そうです。次は赤色で髪飾りや唇、胴体の模様(花)などを描きます。

筆も3本。使う色ごとに持ち替えます。

最後に緑で葉っぱを描きます。

順番は分かりました。でも上手く描けるかなぁ。

不安ですよね。だからまず、紙で練習してみてください。

机には練習用の紙が用意されていました。描く順番と絵の見本も載っています。「これでよし」と思えるまで、紙の上で練習です。

胴体の花模様が難しい。葉っぱと花のバランスも微妙…。

まずは全体練習です。右側のこけし枠内に顔、胴体、全てを描いてみます。胴体の赤い花が難しかったので、余白を使って何度も練習しました。見てよ、この努力!
ほそーい筆の使い方にも苦戦するさやキジ。そもそも筆で絵を描くなんていつ以来でしょう?

学生以来かも。
納得いくまでひたすら紙に描きます。
いよいよ本体へ
それでも繰り返し描いていたら、だんだん慣れてきました。そろそろ本番に挑んでみましょうか。
先ほど教えてもらった順番で、いよいよ本体に描いていきます。平面の紙に描くのは慣れてきたけど、丸みのある立体に描く感覚がまた別物です。でも、もう失敗は許されません。全集中、一発勝負です。
緊張して手が震えだします。
特に目を描き入れるときがMAX緊張の瞬間。目の表情が全体の出来を左右するといっても過言じゃないので慎重に。深呼吸して震えをなだめ、筆を持つ手に全神経を集中させて描きました。

目を描く緊張の瞬間です。
なんとか目を描き入れて、あとは順番に沿って他のパーツを描いていきます。
顔はある程度位置が決まっていますが、胴体は自由です。どこに何を描くのかを、さっき紙で練習した絵柄を参考に決めていきます。考え、選び、描く。やっていくうちに、どんどん没頭していきました。
没頭する時間はとても心地よい時間です。余計なことを考えず、心が『無』になります。まるで瞑想や座禅を組んでいる感覚。

私ってこんなに集中力あったのね。
こうして一心に描いていたらあっという間に出来上がりました。さぁ、気になる出来は。

じゃーーん‼

今回は、ペン立てでしたが、まさに伝統こけしですね
眉毛がちょっと太かった…。左右の眼がアンバランス…。気になる箇所は数あれど、それでも一心不乱に描いたMYこけし。愛着が湧きます。

初体験&絵が苦手なわりには上出来かも(自画自賛)笑。MYこけし、めんこいわー♡
ちなみに私が絵付けしたこけしはペン立てタイプ。他に以下の素材があります。

写真左から
・ミニこけしA(4.6㎝)¥500
・ミニこけしB(3㎝) ¥400
・鳴子こけし5寸(約15㎝)¥1100
・鳴子こけし6寸(約18㎝)¥1300
・ペン立てタイプ (約12㎝)¥1900
この中から好きなサイズを選びます。基本は筆を使い描きますが、筆を使うのが難しい年齢のお子さんや、ミニこけし用に、カラーペンも用意されています。カラーペンだと気楽に描けるかも。

店内の絵付けスペースは通常は広く利用して8席(人が増える場合は、テ━ブル・椅子を増やして大人数でも体験できます)。広々とした場所で集中できます。思い思いの絵を付けて、世界でひとつのMYこけしを作りましょう。
伝統こけしの魅力
今回の体験で、伝統こけしに愛着が湧いたさやキジですが、伝統こけしとは何ぞや?と問われたら説明できません。
そのあたりも松田さんに教えていただきました。

簡単に説明すれば、東北地方のロクロ技術を用いた木の事物です。よく伝統工芸品とも言われます。
津軽系(青森)や南部系(岩手)、宮城県だと遠刈田系、作並系、弥治郎系などの系統があるそう。その中のひとつが鳴子系。
首を回すと「キュッキュッ」という音が鳴るのが鳴子系の特徴のひとつだそうです。

子どもの頃、首を回して遊んだ記憶が。

そう。もともと、こけしは子どもの玩具として作られたものとも言われています。
古くから玩具として親しまれてきたこけし。
玩具としての価値もさることながら、美しさや技術の巧みさで人々を魅了するこけし。だからこそ現代まで受け継がれ、愛され続けているのでしょう。

松田工房さん外観。外観も黒、赤、緑の3色遣いだ。
東北の伝統工芸品、こけし。古くから受け継がれるのは、技術だけでなく魂です。
今回の絵付け体験は、そんな魂の一端を身体で感じる深い学びの体験。それはまさに『おもしろ体験』でした。
絵心ゼロでも、初めてでも大丈夫。あなたも魂を込めた“MYこけし”を作ってみませんか?鳴子温泉を訪れた際はぜひ、松田工房さんへ立ち寄ってみてください。
店舗情報
所在地:大崎市鳴子温泉上鳴子126-10
TEL:0229-83-3573
基本定休日:水曜日(ただし状況により別日に急な臨時休業をする場合もあります)
営業時間:8:30~16:00
ネットショップ:松田工房
駐車場:店舗前に5~6台分
★絵付け体験は予約なしでもOKです。
※混雑時はお待たせしたり、少し狭いスペースでの体験になる場合があります。