どうも!ささキジです。
これは自分が子供の頃の話。
宮城のとある某宿泊施設にキャンプをした時のこと。
海か山かと聞かれれば山にある施設。
きれいな川。
初めて見るハヤ、イワナ、ヤマメ。
定番のカレー作り。外で食べるカレーのおいしさを学んだのはこの頃か。
とにかくすべてが新鮮で自分はただただはしゃいでいた。
普段は内気な自分だが、キャンプという初めての体験で開放的になれたのか、仲良くなった子もできた。
夕食も終わりゆっくりとした時間を過ごしていた時、その子の父親が私の父親に
「ナイトハイキングしませんか?」
と提案。ナイトハイキングとは夜間に登山道やハイキングコースを歩くこと。昼間とは異なる静寂や星空、夜景などを楽しむことができる。
私たち家族は二つ返事で了承。
子どもたちのことを考えてくれたのか、コースはまず森の中を突き進み、その後階段を上がって道路沿いを歩き帰ってくるというとてもシンプルなもの。
夜に外を歩くなんて祭りの時くらいだった自分にとっては、怖さもあるが好奇心が勝っていた。
21時くらいだろうか。黙々と歩みを進める
「きれいだねぇ」
「夜の川の音ってなんだか怖いね」
なんてお互いに雑談を交わしながら階段まで到着。あとは道路をひたすら歩いてキャンプ場に戻るだけだ。
あとは寝るだけか。なんて思って歩いていると仲良くなった子が一言
「なんかいる」
階段を上がって道路を歩くと言ったが、つまり帰り道は自分たちがこれまで歩いてきた森を見下ろしながら帰ることになる。
その子は自分たちが歩いてきた森に向かって指を差している。
自分もその指の先を見てみると
水玉模様のワンピースを着て下を向いている女の子が森の真ん中に立っていた。
「なにもいないでしょ」
「すみません変なこと言って」
「なにもないじゃん」
口々に話す大人たち。大人には見えていないようだ。
私が
「下を向いている女の子だよね?」
とその子に確認すると
「そう!水玉模様の服を着ているよ!」
と。つまり私とその子には全く同じものが見えている。
「そんなわけない。早くいくぞ」
と互いの両親に引きずられるようにしてキャンプ場に戻った私たちだが、今思うと不思議に思うことがある。
なぜ夜の何も見えない暗闇の森からその子を見つけることができたのか。と。