今年も厳しい夏が終わり、季節が移り変わりました。
周囲を見渡すと、黄金に輝くライスフィールド。稲穂が頭を垂れています。
さあ、今年もやってきました。お待ちかね、新米のシーズンです。
炊き立てのホカホカと湯気をたてるツヤッツヤのゴハン。おかず無しでもモリモリいけちゃうんだー♪
ああ、米どころに生まれてよかったなぁ
ゴハンが美味しいって幸せ。新米の季節は特にその幸せを噛み締めるシーズンです。
お寿司はシャリが命
しかし、欲張りなさやキジは、新米をもっと堪能したいと思っている。
そんな欲を満たすべく、ある場所へ向かいました。
やってきたのは
大崎市古川【君鮨】さん。
いらっしゃーい
親方が元気に迎えてくれる。
え⁈お寿司屋さん?寿司屋で新米を堪能するの?
と思った方も多いでしょう。
お寿司の美味しさはネタで決まるのだから。
ところが、そうじゃない。
お寿司はシャリが命
こちらの君鮨さん。「シャリが命」が合言葉のお寿司屋さんだ。
ここ大崎市古川で40年以上にわたって営んでいる。
ここは米どころ。米が美味しいから、シャリも美味しい。シャリが美味しいから、寿司も美味しい。こういうことなんだろう。
詳しくは美味しいお寿司を堪能しながら、親方のお話を聴いてきましたよ。
改めて紹介しましょう。
君鮨の親方『千葉君夫』さん。
店名【君鮨】は、お名前の『君夫』から取ったそうだ。
見てください、この笑顔‼新米のようにツヤツヤです。
お寿司で大事なのはネタじゃなくシャリ。果たしてそうなのか?食べてみれば分かるだろう。
では早速、お寿司をオーダー。
注文したのは『握り』の【上】。
『握り』と『チラシ』があり、それぞれ【並、中、上、特上】がある。
他には一貫単位での握りもある。
せっかくなので、一貫メニューも注文してみよう。
アロエ寿司、ずんだ寿司おねがいしまーす
なんですと⁈アロエにずんだ。どう考えても寿司のネタじゃない。
アロエ寿司は、ほろ苦いアロエの果肉&梅肉がシャリとマッチしている。
ずんだ寿司は、豆の歯ごたえと香りがシャリとマッチしている。
こんな異端児のようなネタ。でも、ヘンじゃない。しっくりくる。
個性を活かしつつ、ちゃんとまとめる。先生みたいな存在。
それが、シャリなんだ。
もちろん、優等生のマグロやウニはその実力を最大限に発揮している。
そう、握りのプレートはまるで教室。
やんちゃ坊主に優等生、変わり者の生徒、みんなみんなシャリの先生がうまくまとめて調和のあるクラスを創り出しているんだ。
シャリ先生、すごいなー
そんな凄い先生、シャリ。その実力の秘密を親方に訊いてみよう。
使っているお米の品種は何ですか?
大崎産の『ささ結』
あっさりして粘りが少なく、寿司に向いてるんだ
『ささ結』は大崎が誇るブランド米。まず、先生自体が優秀。
契約農家から、直接仕入れているそうだ。
身元がしっかりしています
世界農業遺産に認定された大崎耕土で大切に育まれた。
いい環境で育ちました
そして大崎平野は水が綺麗で美味しい。1時間かけて、その水をお米にしっかりと吸水させる。
その上で、火力の強いガス釜を使いふっくら炊き上げる。
素晴らしい教育を受けました
いい米、いい土地、いい炊飯。
有能な人が、いい環境で、いい教育を受けて、凄い先生になったんだ。
どんな生徒も受け止めます
なんて頼もしいんだろう。「シャリが命」ってことが、腑に落ちてきた。
さらに親方は語る。
香り、ツヤ、歯ごたえ
美味しいシャリの3つの条件だそうだ。
この条件を高い水準で満たす為に、産地、素材にこだわり、炊き方にこだわり、最高のシャリを作る。こうして初めて美味しいお寿司が生み出されるのだろう。
それに加えてこの季節の新米は「香り」が段違いという。
ただでさえ美味しいシャリが、さらに美味しい。それが新米の季節。
つまり、新米の季節は、お寿司が美味しい季節なんだ。
今年、君鮨では10月から新米を使用するとのこと。今しか味わえない美味しさを、じっくり堪能したい。
ささ結は縁結び
ここまではお米とシャリの凄さを語ってきました。でも、君鮨の魅力はこれだけじゃない。
お・も・て・な・し
ネタのように新鮮なトーク、握るときにはワサビのようにピリリとした表情、新米のようにツヤツヤな笑顔でもてなす親方の人柄が、すごくいいんだ。
初めましての方も、常連さんも、その会話の渦に巻き込んで、楽しい空間を作り出している。
お寿司を握りながら、カウンター越しにお客さんと会話する姿が楽しそうな親方。
ちなみに取材に行った日は、学生時代の同級生だという女性がお友達を連れて来ていた。
いっつも宿題写させてもらって助かったんだやぁ
宿題は自分でしましょうよ(笑)
会話が弾む店内は、いつも笑顔が溢れている。
店内には、お客さんと撮ったたくさんの写真が貼られている。すごい数。
人が好きなんだなあ、俺は
人とのご縁を大切にしつつ、『ささ結』を握る親方は、縁結びの神のよう。
来店するお客さんの心が、結び合わさっていく。
こんなお寿司屋さんが、他にあるでしょうか?
今、宮城にいる人は、大崎にいる人はシアワセだ。
此処には美味しい新米と、君鮨があるんだから。
店舗情報
住所:大崎市古川幸町1丁目7-32
TEL:0229-23-3611
営業時間:11:00~14:00
16:30~21:00
定休日:月曜日
座席:6人がけテーブル席、4人がけテーブル席、カウンター6席
宴会場:大36名、中18名、小8名
駐車場:22台
すぐ食べるなら、テイクアウト、配達可。
でも、親方との会話を楽しみながら、カウンターで食べるのがオススメです。
さあ、新米香る君鮨へ、レッツゴー♪