たっぷりのキャベツに濃厚な甘辛ソ一ス。ふと、「無性に食べたい」って思う瞬間ありませんか?

鉄板のジュワジュワ~って音を聞きながら、アッツアツを頬張る。お好み焼で味わえるシアワセですよね。
そんなシアワセを無性に味わいたくなったさやキジは、お好み焼屋さんを目指して出かけます。
広島のお好み焼
今回やってきたのはコチラのお店。

石巻市前谷地にある、【すぎ乃】さんです。
コチラでは、『広島のお好み焼』がいただけるようですが、普通のお好み焼とどう違うのかが分かりません。
だからまずは店主の『杉野さん』にお話を伺ってみようと思います。

調理用の鉄板の前に立つ杉野さん。お店は夫婦で営んでいるそうで、写真には写ってませんが、笑顔のステキな奥様が接客や調理補助など、細やかなサポートをしています。
それでは、広島のお好み焼とは?ズバリ質問してみましょう。

麺を使うのが特徴です。
キャベツや具材だけじゃない。必ず麺が入っています。【すぎ乃】では、そばorうどんを選ぶことができ、サイズは『並』で1玉、『大』で2玉分の量が使われているそうです。

これは、満腹になりますね。

そうです。これは“おやつ”ではなく、しっかり“食事”になります。
お好み焼って、食事にしては物足りない感があります。地方によってはお好み焼をおかずにご飯を食べるところも。その点、1玉の麺が入っている広島のお好み焼は『食事』として満足できるボリュームです。

メニューは10種類。そばかうどんを選び、サイズを選んで注文します。
さらに、もうひとつの特徴。

生地がクレ一プ状です。
広島のお好み焼は、クレ一プ状の生地の上に山盛りキャベツ、お肉を乗せ、ひっくり返して焼きます。そこに茹でて炒めた麺を合わせ、さらにクレ一プ状に薄く伸ばして焼いた卵の上に乗せます。

つまり、クレ一プ状の生地と卵で、キャベツや麺をサンドイッチにします。
関西のお好み焼が『混ぜ焼』なら、広島のお好み焼きはいわば『重ね焼』なんです。

ここが大きな違いですね。
生地に混じらず、そのまま存在している麺とキャベツ。存在感がしっかりあって、食べ応えが抜群です。これが広島のお好み焼の魅力ですね。

卵も鉄板の上で割りほぐした後、クレ一プ状に薄く伸ばして焼きます。

ところで、どうして広島のお好み焼を石巻でやってるんですか?

妻の地元が石巻なんです
以前は東京そして仙台や郡山で働いていたという杉野さん。奥様の地元ということもあり、もともと「東北地方って、いいな」と思っていたそうです。
そんな想いを抱きながら年齢を重ねたとき、東北地方に落ち着きたいと考え、思い切って移住してきました。選んだ場所は石巻です。

そこで、広島のお好み焼を始めようと思いました。
なんと杉野さんは広島出身!広島のお好み焼は、ソウルフードなんだそうです。幼少期から親しんだ味、広島の味を、ここ石巻で再現する。この想いが形になり2025年4月25日、石巻市前谷地に誕生したのが、広島のお好み焼【すぎ乃】です。

お店には、広島の地酒も置いてあります。美味しそうだけど、この日は車だったので断念。いつか絶対、運転手を連れて飲みに来たいです。
丸見えカウンター
ところで、さやキジがどうして作る行程を、細かに知っているのでしょう?それは
一部始終、見ていたからです。
店内はカウンター席のみで、店の中央に調理用の鉄板があります。

L字型のカウンター9席の店内。アツアツの状態を保てるよう、テ一ブルの前にも鉄板が備え付けられています。
どの席からでも焼いている様子が見える店内構造。つまり、行程が丸見えです。だからどのお客さんも調理の行程をじ一っと見ながら待っています。
この時間がエンターテインメント。目の前で自分の注文したものが出来上がっていく過程を見ていると、期待感がどんどん膨らんでいくんです。

ワクワクしながら眺めます。
見どころは、ひっくり返す瞬間です。なんといっても広島のお好み焼は、ひっくり返す難易度が高い。
普通のお好み焼なら、具材を生地に混ぜるので、ある程度焼くと塊になります。だから、ひっくり返しても崩れにくい。
しかし、広島のお好み焼は、うっすい生地にキャベツやら具材やら麺やらがバラバラに乗っかっているだけです。
よほど上手くやらないと、中身をぶちまけて大惨事になっちゃう…。でも、そこはプロとして問題なくひっくり返すのか?はたまた、ぶちまけてしまうのか…?

ドキドキの一瞬です。
テコを生地の底へ慎重に滑り込ませると、ご主人の目がキラリと光ります。
その瞬間!


大成功!お見事です。
素人だからだけど、さやキジがやったら絶対にぐっちゃぐちゃになるでしょう。そこを綺麗にひっくり返すご主人のスキルに目を奪われます。こういった一連の調理行程や技を目の前で見ることができる。これが楽しいんです。待つ時間が“おいしい時間”になります。
さあ、いよいよ完成間近。表面にたっぷりとソ一スがかかりました。見ているだけでヨダレが出そうな光景です。


お待たせしました
この言葉が出来上がりの合図。奥様が席まで運んできてくれます。

めちゃ美味しそう。早速いただきます♪
『イカ天入り・うどん』をいただきます
改めまして、完成。注文したのは『尾道産イカ天入り・うどん』です。サイズは『並』です。

広島の美味しいものを味わいたいと思っていたので、イカ天が『尾道産』というところに惹かれチョイスしました。

尾道産のイカ天、いいですよ。この辺にはあまりない、ハ一ドなタイプです。
おつまみとして、この辺で売られているイカ天は、やわらかいタイプ。対して尾道産のものは硬い、そして厚くて濃いのだそう。それがお好み焼きの中に入るとどうなるのでしょう?

さあ、お待ちかねの実食です。鉄板の上でジュウジュウいってるお好み焼きをテコで切り分け、お皿に移していただきます。
猫舌なので、しつこいくらいフーフーした上でパクリ♪

あぁたまらない…。口いっぱいに広がる甘辛ソ一スの味。
ほどよい歯ごたえのキャベツには、いいカンジにソ一スや卵が絡みます。そして、ときどき現れるイカ天の食感が最高。
ハ一ドなだけに噛み応えがあって、噛むとしっかりイカの風味が沁みだしてきます。それがキャベツやソ一スとマッチするし、ときどきトゥルンッと口に侵入してくるうどんと一緒に噛み締めるのがイイ。
粉の生地、卵、キャベツ、豚肉、うどん、イカ天。食材たちはまるで役者です。
甘辛ソ一スの衣装をまとい、鉄板という舞台の上で、個性を発揮しながら役割を演じます。
どこを切り取り頬張ってもいい味。スタンディングオベーションしたい気分です。

調理の過程でソ一スはかかっているけれど、お好みでプラスできるよう、テ一ブルには、甘口、辛口ソ一スとトッピングパウダーがあります。お好きな組み合わせで自分好みの味付けができたら、あなたは最高の舞台演出家かも知れません。
ニオイがつかないって、嬉しいね
お好み焼屋さんに行くと、服や髪にニオイがついてしまうことってありますよね?
仕事の合間や、これから人と会う予定の場合は困ります。しか一し!
心配ご無用、【すぎ乃】ではニオイがつきません。なんでかって?

テ一ブル前の鉄板。アツアツで食してもらうために、お好み焼屋さんなら普通に備え付けてあるものと思いますが、この鉄板が普通じゃないんです。
『カ一ボンランプヒ一タ一』という電気が熱源の鉄板。火力はしっかり強いのに、熱してもガスではなく電気なので排煙が出ません。

この鉄板がこだわりです
ニオイは排煙とともに立ち上ってきます。それが出ない=ニオイも出ない。よって服につく心配もありません。
もちろん、調理用の鉄板も同じものなので安心です。

仕事中でも、人と会う前でも大丈夫。
広島育ちの杉野さんが、奥様の地元で始めたお店、【すぎ乃】。こだわりの設備に調理過程が見える店内構造は、いかに快適な環境で、お客様に食事を楽しんでいただくかに重点を置いています。お客さんへの気遣いが隅々まで行き届いているお店なんです。
甘辛ソ一スのお好み焼、ときどき無性に食べたくなります。そこに加えて『杉野さんご夫妻の温かさ』にも、無性に触れたくなるんです。行き届いた気遣いも含めた“お店の味”は何度でも味わいたくなるでしょう。
さあ、ここまで読んで、美味しそうな写真を見て、ヨダレをこぼしそうになっているあなた。店舗情報を見て、【すぎ乃】に足を運んでみましょう。
店舗情報
所在地:石巻市前谷地字黒沢前167-1
TEL:0225-90-4973
定休日:毎週月曜、第二 第四 日曜
営業時間:《昼》11:00~15:00 (火)(水)(木)(金)(土)(日)
《夜》17:00~21:00 (金)(土)のみ
それぞれラストオーダー閉店30分前
駐車場:9台分
instagram:広島のお好み焼 すぎ乃/@石巻市前谷地